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宮崎市佐土原町の内科医院です。

消化器・胃腸科が専門で、胃カメラや大腸内視鏡、腹部エコーでは鎮痛・鎮静剤を使い、苦痛の少ない検査を心がけます。
循環器や呼吸器、感染症やアレルギーも診療します。

また、介護支援専門員が介護や認知症のご相談に応じます。
なお、禁煙補助薬や男性型脱毛症治療薬も処方します。
平日8:30~12:30
14:00~17:30
水・土曜  8:30~12:30

(なお、午前中 8:30~9:00に胃カメラや腹部エコーなどの検査が入っている場合は、外来診療の開始は午前 9:00からになります)

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「お酒を飲んで酔う」という状態には
1.お酒に含まれるアルコールが脳に作用することで起こるものと
2.体内に入ったアルコールが分解されてできた物質によって引き起こされるものとがある。
 お酒を飲むと、アルコールはまず胃と小腸で吸収されて血液中に入る。血液中に入ったアルコールが脳に到達すると、脳の麻痺やその機能低下が生じる。これが上記1の状態。軽い興奮状態になるので、気が大きくなったり、楽しくなってはしゃいでしまうのもこのためである。

では、どんなときに悪酔いするのか?
悪酔いとはアルコールの作用とその分解産物であるアセトアルデヒドが血液中に混在した状態。アセトアルデヒドは一定量ずつしか無害な物質に変わらない。さらに、肝臓でアルコールを分解するには、少なくとも糖質をメインとした大量のエネルギーや水分が必要になる。
適量のアルコールならアセトアルデヒドの作用も顔が赤くなる程度。

普段と変わらない量しか飲んでいないのに、悪酔いするのはなぜ?
肝臓でアルコールを分解する際に、その肝臓の働きを手助けする物質が不足していたり、その働きが鈍くなってしまう条件があると、悪酔いしないとき、するときが生じる。

では、悪酔いしやすい条件とは?
・前日前夜に深酒や睡眠不足
・過労で肝臓の働きが低下している場合
・長時間の入浴や激しいスポーツ後で脱水状態が完全に改善していない場合
・ダイエットで体内の糖分蓄積量がかなり少ない場合
・空腹状態の場合
・抗生物質などの服薬により肝臓の働きが低下している場合

前日、当日、直前、飲み会中、終了後の悪酔い対策は?
最大の予防は悪酔いする前に止めること。すなわち、飲酒しないこと。でも、これはかなり難しい。そこで

■事前に飲酒する機会が分かっている場合
まずは、体調を万全にしておくこと。前夜に深酒や睡眠不足・過労などがないように肝臓を休め、全身の疲れをできるだけ取っておく。さらに、風邪症状や胃腸炎症状等の病気が出てしまった場合は、無理をせずその飲酒機会を断る勇気も必要。ほかに気を付けたいことは以下の通り。
・飲酒する数時間前:胃腸薬を服用しておく。
・飲酒する2~3時間前:消化に時間のかかりそうな食べ物(肉類・チーズなど)を適量食べておく。間接的にアルコールの吸収を緩やかにし、肝臓での代謝・分解効率を良くしておく。
・飲酒前後の対策:ペットボトル入りのスポーツドリンクや胃腸薬を買っておく。

■突然、飲酒することになった場合・飲酒の直前
・少し軽食を摂る。胃からのお酒の吸収を緩やかにするとともに、栄養を体内に補給しておくことでアルコールの代謝・分解効率を良くしておく。

■飲み会中
・アルコールの血中濃度を下げるために、ときどきスポーツドリンクやソフトドリンク、水、ウーロン茶などを飲む。
・一定量の料理やおつまみを食べながら飲酒する。
アルコールは空腹時だと飲酒後30分程度で血中濃度のピークを迎えるので、乾杯後の飲酒はゆっくり、スローペースにするのが理想。乾杯後30分以上経たないうちは度数の高いお酒を多く飲まないようにするといい。
よく牛乳を飲むと胃に膜が形成されてアルコールの吸収がゆっくりになるという俗説があるが、これは事実ではない。仮に胃の中で膜が形成されたとしても、牛乳由来のタンパクや脂肪等なので、お酒のエチルアルコールや分泌される胃酸で変性し、洗い流されてしまう。
二日酔いに効果的といわれるウコンなどのサプリメントも同様。ウコンは肝機能の働きを活発にさせる手助けはするが、飲酒の前にウコンを摂取したからといって、悪酔いや二日酔いを防ぐことはほとんど期待できない。

●では、二日酔いになってしまったときはどうすればいいのだろうか?
これには以下の対策が有効。
・こまめに少量ずつ常温のスポーツドリンク等で水分補給をする
・無理をせず、十分に睡眠をとる
そして、時間の経過とともに少し二日酔い症状が軽減してきたら、アセトアルデヒドの分解を促すハチミツや、肝臓のアルコールの分解・代謝を助けるアミノ酸、オルニチンが豊富なシジミの味噌汁、体内でアルカリ性となってくれる梅干し入りのお粥、二日酔いの胃もたれや嘔気に有効な消化酵素を多く含む大根おろしなどを食べる、頭痛軽減作用のあるカフェインを含む緑茶、紅茶やコーヒーを飲む。